• テキストサイズ

貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜

第5章 甘味屋での甘い休息




「どんなに想いを捧げても、本心を少しも明かしてもらえないまま、はぐらかされるんですって。それでも、あんないい男、一度好いたら嫌いになれないに決まってるでしょう?」


「だから、『地獄』ですか……」


「すげなくされるとわかって身を焦がす子も多いのよ。あなたも気をつけた方がいいわよ」


別れ際、話を聞かせてくれた中のひとりが、切なげな笑みを浮かべていたのが印象に残った。


(『惚れれば地獄』……。とんでもないな、あの人)


そう言われる理由は、わからなくもない。


近づいたら危ないと勘が言っているのに、やけに気になる–––そういう妖しい引力が光秀さんにはある。


(まあ……、私は絶対、好きになったりしないけど)



私は、どこか自分に言い聞かせるように思った。

/ 573ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp