第5章 甘味屋での甘い休息
翌日–––
私はお遣いで通い慣れた露天を訪ね、居合わせた同年代の女性たち三人に聞き込みを開始した。
「光秀様のお人柄を知りたい……?」
「はい!。私は城で働いていて、光秀さんと接することが多いんですが、いまいち掴みどころがなくて」
「光秀様は……とにかく、いけないお方よ!」
「そうそう! 惚れれば地獄–––安土の女はみんなそう言ってるわ」
(地獄!? 開始早々で何だか、すごいこと言われてるな…)
「地位のある武将で、男前な上に物腰も柔らかくて、色気もあって……惹かれない女はいないわ。城下へ来れば私たち下々の者にも声をかけてくださるし、夢中になる子も少なくないけど……お慕いしてると伝えて、まともに取り合ってもらった話を、一度も聞かないの」
(え……)