第5章 甘味屋での甘い休息
(光秀さんってやっぱり……結構、いい人?なのかも…)
空がだんだんと濃い茜色に変わってゆく中、城へ向かって歩く。
夕焼けに染まる空や家路に急ぐ人々は、私のいた時代も五百年前も変わらない。
特段、会話もなく歩いていると、並んだ伸びる二つの影に目にとまる
(そういえば…、秀人とも駅で待ち合わせして、こうやって夕暮れの中、一緒に帰ったな
いつも私が少し遅くて、よく待たせたっけ。
文句も言わず、『おかえり』優しく笑ってくれたな。
そのあと、手を繋いでいつものスーパーで買い物して、家に帰って……)