第1章 こんにちは
引き受けたまではいいのだが、
「.......ブラック本丸に当たってしまうとはなぁ」
我ながら運が悪い。
「審神者様、どうされますか?」
「....とりあえず、門をくぐって外から見てみよう」
私は門を押して中に入った。
「........きっと、元はきれいだったのよね?」
「........はい」
本丸はとても荒れ果てていた。
邪気が溢れかえっているせいか草花は枯れ、空は淀み、手入れされていない本丸は所々床が抜けていてとにかく悲惨だった。
「.......ここに神様が住んでいて大丈夫なの?」
「.....いえ、きっと皆さん心が病んでいるでしょう。堕ちかけている人もいるかもしれません」
早く探して手入れをして心のケアをしなければならない。
そう思っていると、前方に人影が見えた。
「......こんのすけ、あの人は?」
「あのお方は....、三日月宗近様ですね」
「三日月宗近様、天下五剣の?」
「はい、この本丸には一振りしか反応がありませんので三日月宗近様だけなのでしょう」
「.....そう、ですか」
ここに一人は辛いだろうな......
「.......こんにちは」