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Amor vincit omnia__愛の勝利

第17章 王様の恋人(跡部景吾)







「ほぅ、あれが噂の」
「乾、知ってるのかい?」
「龍ヶ崎頼華、氷帝学園高等部1年。1年にして氷帝の生徒会長だ。」
「高校生?なんでこんな所に?」
「あのクールな性格でファンクラブがあるらしい。あとあの跡部の恋人だ」
「えっ!?まじ??」
「でも、バァさんの孫と話してましたよね?」
「うん、知り合いのようだね」
「竜崎先生の近所に住んでるらしい」
「何でそんなことまで知ってるんすか」


やいやいと頼華の話をしていると
そこへ竜崎がやってきた。


「ほら、喋ってないで応援せんか」
「だってよぉ、バァさん」
「いいから、応援」
「へーい」



跡部と越前の試合を見ながら竜崎は思う。
跡部の底知れぬ努力を1番近くで見てきた彼女だからこそ、それを知らない第三者に、彼をとやかく言われるのは居てもたってもいられないのだろうと。

キレると先程のように容赦なく口が悪い頼華だが、それは誰だって同じだと竜崎は分かっていた。



「すまんなぁ、そこのお嬢ちゃん。」


海堂とジローの試合が終わり、先程のやり取りを見ていた忍足が青学に近づいて言った。


「やけど、あれでもうちの大将の大事なお姫さんやねん。」







王様の恋人
(いつもはクールな彼女も)
(怒らせると容赦ない)


頼華にとって跡部はとても大切な人なんだろうな、と跡部を見守る頼華の横顔を見ながら桜乃は思った。


(景吾、お疲れ)
(あぁ。さっき青学の奴らと話してなかったか?)
(ん?あぁ、景吾は知らなくていいのよ)
(?そうか。)
(…ちょっと景吾、)
(癒せ、俺を)
(…はぁ。まったく)



頼華の前ではどこまでもマイペースな跡部を
忍足たちはいつもの事だと笑って見守っていた。


End
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