第16章 魔王の親(男鹿辰巳)
「えー、外すのか?」
「おねがい、たつみ」
あまり呂律が回っていない喋り方で懇願する頼華。
「あたしも、」
「?」
「たつみに、さわりたい」
「!」
頼華の言葉に驚く男鹿だったが、すぐに両手のネクタイを解いた。
頼華は目尻に涙を浮かべ、男鹿に縋り付く。
それを合図に一気に男鹿のソレが中へ入っていく。
「あぁぁ…っん!!」
「っ…バカ頼華、声がでけぇ、」
我慢できずに声を出した頼華だったが、ベル坊は幸いにもくうくうと寝息を立てていた。
「や、ぁっ…が、まんできな…っ!!」
「ほら、肩噛んでていいから、な、」
男鹿に言われた通り声を出すまいと、必死に男鹿の肩に噛み付く頼華。鈍い痛みが男鹿に走るが、頼華から受けた傷ならと満更でもない表情をしていた。
律動が激しさを増す。ギシギシと揺れるベッドの音は恐らく廊下まで聞こえているだろう。だが幸か不幸か、この保健室のある階は今誰もいなかった。
激しさを増すと共に、頼華の目尻から涙がつーっと伝い落ちる。それを舐めとる男鹿の姿に鼓動は増していく。
「も、きちゃ、う…っ!」
「あー、俺もだ」
「い、いく、たつみ、イク…っ!!」
「頼華、出す、ぞ…っ」
最奥に男鹿の熱いソレが放たれると同時に頼華は達し、意識を手放した。
「ん……」
眩しさに目を覚ますと自分を抱きながら眠る男鹿の姿。
いつの間に来たのだろう、ベル坊を間に挟んで。
「もう。…バカ辰巳」
惚れた弱みだと思いつつ、本当の親子のように眠るふたりにキスをした。
魔王の親
(人間界でのベル坊の親)
(それはおしどりカップルでした)
(辰巳、ベルちゃん、起きて)
(ん…もう朝か?)
(なわけないでしょ、夕方よ夕方)
(だー!!)
(ベルちゃんもよく寝たね)
(んじゃ、帰るか)
本当の親になるのはもう少し。
お隣の家に住む頼華は
今日は帰して貰えずお泊まりしました。笑
End