第4章 安らかなひととき(XANXUS)
「でも…っ」
「でもじゃねぇ。…俺はお前の」
「…?」
「…お前の旦那で父親だ。」
「!!」
頼華からの愛を受け入れたあの日からXANXUSは少しずつ変わっていっていた。餓鬼なんぞ興味ないと思っていたXANXUSも頼華と過ごすことで頼華との子供を考えていたのだから。だから妊娠したと聞いた時から守るものが増えたとひとり心のどこかで内心喜んでいる自分がいた。
「…守るのは当然だろうが」
そう言いながら再びソファーにふんぞり返るXANXUSにぎゅっと抱きついた頼華の腰に手を回した。
「あらあら、派手にまぁやっちゃって。」
聞きなれた声、ルッスーリアだ。そろそろ皆戻ってくるだろう。
「まぁボスったら、頼華を抱いたまま闘ったのね」
とルッスーリアは笑う。
「ねぇ!ルッス!XANXUSの傷─」
増えたから治して、という言葉はXANXUSによって遮られた。
「…お前が看病すればいい」
そうしないと今ここで食うぞと言わんばかりのXANXUSの目に頼華は微笑んで返事した。それを見たルッスーリアは相変わらず仲良しなのねぇと目を細めていた。
「お父さんこわいねー」
ふふふ、っと笑いながら己の手をお腹に当てる頼華。大丈夫、お父さんが守ってくれるからね、とそう心の中で問いかけながらXANXUSもまた頼華のお腹に手をやるのであった。
安らかなひととき
───邪魔するものは全て消してやる
(ゔぉぉぉぉぉい、帰ったぞぉ)
(ししし、相変わらずボスかっけー頼華抱いたまま殺るとかさすがすぎ)
(仲良すぎて子供産まれたらどうなるんでしょーねー)
(ボス、頼華様ご無事で…!)
(あらレヴィ、ズタズタのボロボロじゃないのー!)
(あとはどうする?ボスさんよぉ)
(邪魔しちゃダメよ、スクアーロ)
そんなやり取りの中で2人を優しく見守るのはベスターとエマも同じだったようで2匹寄り添って眠っていた
end