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Amor vincit omnia__愛の勝利

第4章 安らかなひととき(XANXUS)




ミルフィオーレとの戦力戦。イタリアのとある地方の山奥、ミルフィオーレの支部で指揮官のいた城をモノの10分で占拠したヴァリアー。狙いは六弔花のためそれを探し出そうと各地にそれぞれ散らばっていった。XANXUSといえば指揮官の居た部屋のソファーで相変わらずふんぞり返りながらワインを飲んでいる。もちろん、膝の上には頼華を抱えて。頼華はといえば闘いの真っ最中にも関わらずすやすやとXANXUSの腕の中で眠っている。それもまぁ仕方ない。ここ連日ミルフィオーレから仕掛けてくるとは分かっていたもののヴァリアー全員がまだかまだかと首を長くして待っており頼華もその中の1人であった。それに──彼女のお腹にはふたつの命が宿っているからだ。妊娠、それを聞いたとき内心驚きはした。彼らが結婚したのは頼華が18のとき。日本では男が18女が16で結婚できるのだがイタリアでは男女共に18にならなければ出来ないのだ。木漏れ日の下で気持ちを通じあってからすぐにXANXUSは頼華に18になったら結婚しろ、と告げた。雰囲気など色気もへったくれもなかったが頼華にとってはそれが嬉しくて。18になり籍を入れて配偶者ビザを獲得したがイタリアで永住権を得るには初回が5年。その5年後の23のときに永住権を頼華に取らせたのだ。そういったこともあって──と頼華は思っているが正直はXANXUSが頼華を独り占めしていたかったのが強いのだが。することはしていたし避妊していた訳でもなかったがXANXUSがそろそろいいかと思った頃に子供が出来ていた。悪阻が激しい時もあるしかと言えば眠気が急に襲うこともあり最初は戸惑っていた頼華だがXANXUSがそれをわかっているかのようにいつもそばに居てくれていた。少しでも段差があれば頼華が転けないように手を差し伸べたり─とスクアーロが見たら笑っていそうなくらい過保護なXANXUSだった。
寝ている頼華の顔色は朝よりだいぶマシになったな、とXANXUSは頼華の頬を撫でる。今日は一段と悪阻が激しく誰が見ても顔色の悪かった頼華。最初はヴァリアー本部に護衛を何人もつけて休ませてやろうと思っていたが頼華を守れるのは己だけだと連れてきたのだった。
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