第21章 あなたに(跡部景吾)
「…嬉しいことしてくれんじゃねーの」
「…食べてくれる?」
「あぁ、勿論だ」
そんな景吾くんに手を引かれて、ふたりでソファーに座る。
カサカサと、景吾くんの目とおなじアイスブルーの包みを開かれれば甘い香りが部屋中に広がった。
「…ど、どうかな…?」
「美味いぜ。ありがとよ頼華」
「ほんと!?良かったぁ」
次々に口に入れられるガトーショコラ。
すごく喜んでくれているのを横目に、ミカエルさんが用意してくれた紅茶セットを景吾くんのために入れた。
「…本当はね、バレンタインの日に渡したかったの。遅れてごめんね?」
「そうだったのか…いや、遅れても頼華から貰う事が俺には1番の事なんだよ」
「これからも、毎年俺にくれるだろ?」
アーン?といつもの王様らしい言葉に、勿論だよ、と返事を返せば、チョコより甘いキスが降ってきた。
HAPPY Valentine's day ♡
本当にend