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金森さやかに壁ドンしてもらう夢小説

第1章 1章


もちろん、こんな無益な要求をただ突き付けたって駄目だよね。
ふふん、伊達にあなたを見てきたわけじゃない。私は常備していたものをさっとカバンから取り出した。
「ほら、音曲浴場の牛乳8本あげるから。」
その一言で金森さんの視線が素早く私の手元に向けられた。
「そうですか、それを出されたら仕方ない」
にやり、と口元を歪めて笑う。あ、やる気出た。
浅草さんも言ってるけど、ほんとに現金だな、この人。
金森さんは雑誌をぱたんと閉じておもむろに立ち上がった。すらりとしたと長身がやや猫背気味に、私の前にそびえたつ。すぐに私も彼女に倣った。今、私は至近距離で金森さんと向かい合っている。
20センチ近くの高みから見下ろされている。
やっぱり背、高いな。か、かっこいい・・。心臓がコトコトとなりだす。
「もうちょっと壁に寄ってください」
金森さんは長い腕を伸ばして私の肩を壁際に軽く押した。わ、なにこれ。鼓動がさらに激しくなる。
私は壁を背にして立った。
もう、恥ずかしくて金森さんの方を見れない。顔をあげられない。
そして、次の瞬間、彼女の腕が伸びてきて、トン、という音とともに私を壁に押し付けた。
金森さんの両腕が私を閉じ込めている。私、今金森さんに壁ドンされてる。ああ、近い‥。
こんなに金森さんに近寄ったのは初めて。いまだに起きてることが信じられない。ドキドキしすぎてパニックになりかけている私をよそに、金森さんは冷めた口調でやっつけ仕事のように問う。
「で、〇〇氏氏、何ていってほしいんです?」
「え、えっと・・・・」
え、そんなオプションあるの?どうしよう。金森さんがなんでも言ってくれるとなるととたんに頭が真っ白になる。こんなチャンスそうそうないよね。何を言ってもらえばいいのかな。
頭は必死でフル回転を始めるけれど、胸の鼓動がノイズになってそれを邪魔する。何も思いつかない。どうしよう、どうしよう。
うろたえて、私の顔がどんどん赤くなっていくのに気づいた金森さんがかすかに目を見開く。
「あ¨?」
まるで、今、ようやく自分に向けられている私の想いに気づいたみたいに。一瞬押し黙った金森さんが意外そうに私を見ている。
そして小さく息をつくと、ふいにかがみこむように私に顔を寄せてきた。
え、ええ?!
目が泳ぐ。今、きっと真っ赤だ。まさか、キス・・されるわけじゃない・・よね?
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