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金森さやかに壁ドンしてもらう夢小説

第1章 1章


金森さやかは私のクラスメートだ。普通に挨拶するし、休み時間に世間話をしたり、軽口を叩きあったりするくらい、そこそこ仲はいい。
ただ最近気づいた。私、金森さんのことが好きだ。


「申し訳ありませんが、はっきり言って気持ち悪いです。」
金森さんは読んでいた漫研雑誌から目を話すことなくそういった。
むき出しの言葉が切れ味よく私の心に刺さる。渾身の告白は、何の躊躇もなくぶった切られた。
ここは人気のない教室で。たまたま二人きりになったから嬉しくて、私は雑誌読んでる金森さんの前の席で横向きに座りながらおしゃべりしてて、楽しくて。それで思わず告白しちゃったんだけど。
「ちょっと、金森さん、そこまで言わなくてもいいでしょ!」
ショックに負けじと、ちょっと怒気を込めた声で言ってやった。
まあ、確かに金森さんは別にそっちの人じゃないみたいだから同性に言い寄られたって嬉しくないだろうけど。
「たまにそういうことを言ってくる人‥主に女生徒ですが、いるんです。」
あ、やっぱりこの人、たまに女の子に告白されるんだ。雑誌をぱらりとめくる緩慢な手つきは、彼女が私を、ううん自分へ向けられた全ての恋愛ごっこを心底めんどくさがっていることを物語っている。

「意味がわかりません。〇〇氏氏、私に何を求めてるんですか?」
非情な私の想い人は迷惑そうな声色を隠すことなく、雑誌越しに死んだ目で私に問いかける。
「へ?」
金森さんのジト目が私に向けられる。そのまま、彼女は何も言わずに私の答えを待っている。
え、これは私が金森さんとどうなりたいか話せということ?
「何を…?」
え、私、金森さんにどう接してほしいんだろう。問われて初めて、自分と交際している金森さんが全く想像できないことに気づいた。
だって他ならぬ金森さんだもの。色気より食い気、食い気より金儲け。男子だろうと女子だろうと、彼女が誰かといちゃいちゃ寄り添う姿なんて似合わなすぎる。試しに私に甘い言葉をかけて抱きしめてくれる金森さんを想像してみたけど・・・違う。そんなの金森さんじゃない!
でもそれならせめて…。
「壁ドン・・・」
「は?」
「壁ドン、やって。金森さん。そしたらもう好きとか言わないから」
食い気味に身を乗り出して懇願した。すると金森さんの片方の眉が吊り上がり、斜めにこちらをにらむ。
「なんでそんなことしなくちゃいけないんですか?」
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