第1章 純白の衣
ケースが一室空いている。
私もここへ入れられるのだろうか?
頭の中はその事で一杯。
『入りなさい』以降、後ろの男性からの指示はなく、私は立ち尽くす以外にどうしようもない。
目を覆いたくなる様な光景。
頭を抱えたくなる様な状況。
先ほどの懸念がぐるぐると脳内を回る。
視界に入るものはとても心地の良いものとは言えず、きっと数分後の私は彼女達と同じ姿をして並べられる事になるだろう。
嫌な汗が背中に流れ、着ている白いワンピースが肌に貼り付く。
それが凄く不快。
嫌だ
嫌だ
嫌だ
帰りたい。
家に帰りたい。
「……パパ…」
思わず、ポツリと、口から零れた。