第1章 純白の衣
私が連れられた【万屋】は、その名の通り何でも揃っていた。
食料品から、生活必需品、生活雑貨。
骨董、書物、反物、衣料、もうなんでも御座れだ。
そして、店の一画に愛玩品とある。
そこには宛らペットショップの様に犬猫やひよこ、文鳥なんかの小動物が並んでいて、その更に奥に【この先一声おかけ下さい】と注意書が貼られた重厚な扉があった。
「入りなさい」
そう促されて開かれた重い扉。
そこを開けると、まるで異世界。
ショーケースに並んでいるのは物では無い。人だ。
幼稚園児くらいの幼い子から成人過ぎのお姉さんまで…。
怯えるでも、泣きわめくでも、媚びるでもなく、綺麗な着物を着て、まるで人形の様に背筋を伸ばして座っている。
理解し難い異様な光景が目の前に広がっていた。