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【刀剣乱舞 R18】クロユリを食む

第6章 身だしなみは誰かの為に


「彼等はほかっておきまショウ」

呆れた顔をしている村正様。

未だに端末に向かいながら、今度は箪笥の中身が木綿と小紋しかないだとか、帯が半幅帯しかないなんて何を考えているんだとか、審神者様に文句を言いながら議論を重ねる4人の男士様に半ば軽蔑の目を向けながら、

「だから言ったでショウ?アナタの好みを聞く気すらないのデス。着せ替え人形と同じデス」

なんて、私に哀れみを向けた。

「いいんです。玩具としてぞんざいに扱われないだけで十分です」


そう十分だ。

村正様は『着せ替え人形』と言ったけれど、私はそうは思わない。
こうやって衣食住は揃えて貰えているし、審神者様も男士様達も私をちゃんと人として接して、人として扱ってくれる。

「それに…着物の種類もよくわかりませんし、帯の結び方も知りません。おまかせするのが一番かと…」



「huhuhu…」


「…村正様?」


なぜか笑いだした村正に「ちょっと出られマスか?」と訪ねられたので、意図は分からなかったがコクりと頷いた。

「ワタシのファミリーを紹介しマス。付いてきて下さい」

ススーッと扉をあけ、離れから足を踏み出した村正様の後を追いかけた。





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