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【刀剣乱舞 R18】クロユリを食む

第6章 身だしなみは誰かの為に


「赤がいいんじゃない?」
「えー。ピンクでしょ?水色もいいね」
「赤は捨てがたいですが、彩さんには青や黄色も似合うと思います」
「白とか黒もいいんじゃねーの?」


いつの間にか増えた男士様が、私に何色の何を着せるかで揉めている。


「彩は脚が綺麗だから細身のパンツなんてどう?」
「ぜーったい、こっちのフリルのやつ」
「しょーとぱんつはどうでしょう?」
「このワンピースってやつはどうだ?」


本当に必要な下着や部屋着、スキンケア類は注文を済ませたので、
正直、後は何でもいい。


「大変デスね」

「村正様」

『じゃぁ、僕はこれで』と出ていった堀川様と入れ替わり、第一声『脱ぎまショウか?』と部屋に現れた千子村正様はとんでもない方なのかと思ったが、どうやらこの中では一番状況を察して下さる男士様の様だ。


「『出ていけ』と言ってもいいと思いマスよ」

「いいんです。私の為に選んで下さってますので…」

それに、加州様も、乱様も、籠手切江様も、太鼓鐘様も楽しそうだ。
寂しかった部屋がいつの間にか賑やかだ。


「お人好しデスね。彼らはアナタの為ではなく、自分や自分の身内の好みにアナタを着飾りたいだけデスよ」

「そう…ですか…」

「そうデス。それにしても、主の選んだものは地味デスね。アナタに着せるならもう少し華やかな色や柄があったのでは?」

開け放たれた箪笥の中身を見ながら、村正様が言う。

「加州様と乱様もそう仰っていました」

「huhuhu…目に浮かびマスね」
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