第3章 生きる為には食べよ
「もう、誰にするか決めたのかな?」
相変わらず私の頭を撫でながら燭台切様は問う。
その言葉の意味が私にはわからない。
「あ、あの…。誰…とは?どのような意味、ですか…?」
「主から何も聞いてないの?」
私の返答に燭台切様は目を丸くする。
驚いている様だ。
「何も…とは?」
私は再び問いかけた。
『選ぶ』とは?
私が聞かされていない事とは何なのだろう…
「何かご存知なら教えてくれませんか?」
私の言葉に燭台切様は首を振った。
審神者様が言わないなら言えない。と言いたげに…。
「ごめんね。でも…今はわからなくてもいずれ知ると思う」
グイと黄金色の瞳が近づく。
「ねぇ、彩。主から何か聞いた時の為に、僕が立候補するって事を覚えておいてくれないかな?いいよね?」