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ナルシサス。【煉獄杏寿郎】

第8章 捌ノ型. 悪意には悪意を





隊士達の抱える疑問を分かっているのか、朱嘉は直ぐに答えを与える。




「今からお前達の目の前で行われるのは慈悲も救いもない、有罪確定の裁判だ。」








《裁判》





聞こえはいいが、簡単に言えば見せしめだ。


朱嘉以外の鬼神がクスクスと笑いながら各々の武器を撫でる姿に、隊士達の背筋が凍る。





一体どれ程の事をすれば、鬼神を怒らせることになるのか。







そんな事を思いつつ、皆気付いていた。









鬼の子。



刹那に関する事でこの鬼神は怒っている。





きっとあの縛られた隊士は自分達と同じように噂に踊らされ、越えては行けない一線を越えてしまったのだと。






「そこにいる5人の隊士が今日、俺達の大切なお嬢を辱めようとした。人間用の猛毒を使い動けなくしてだ...反吐が出るよなぁ...屑の中の屑だ。」




最初の丁寧な口調はどこへやら。


凍てつく程冷たい目に変わった朱嘉に続き蛍清も言葉を発する。




「お前ら本当に馬鹿だよね。ここ数ヶ月何で鬼殺隊の死亡率が低いかわかんねえの?」




蛍清に続き紫苑。



「全て姫さんのお陰だろう...哀れな人の子だ。守られていた事も知らずに....」




誰かが生唾を飲み込む音がする。

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