第1章 *流れ星
〈藤井流星視点〉
「ごめんごめん…」
うっかり昼寝してしもうた。そう言うと「そんなことやろうと思った」とシゲが笑う。
「でも!でも!まだ間に合ってるし!」
集合には遅れたものの、開演には十分余裕があった。
「言い訳すなよ!今日流星だけドリンクあめちゃんな」
照史くんがさっきまで自分が飲んでいたあめちゃんを差し出してくる。
「キツいって~」
こんな青春も悪くなかった。
「そういえば今日、流れ星見えるねんて」
神ちゃんがニヤニヤしながらこっちを見てくる。流星だけにな、と目が語っている。
「ふーん…お願い事しとこかな…」
「なにお願いすんの?」
「…そりゃ…まあ…デビューできますように…?」
さっきまでわいわいうるさかったのに、みんなはいきなり真面目な顔になって、「そうやな…」「絶対デビューしような!」と笑顔でうなずき始める。
こいつらと…一緒に。