第24章 妄想少女の夢
※軽く下ネタ入ります。
宗次郎の足元に倒れていた私。
爽やかに微笑まれ、えいっ、と引っ張られて起き上がった。
…私の求めていた場面になってるっちゃあ、なってるけど…終わりよければすべて良しっていうけど…いうけど!
目の前のその笑顔の主を呆れたように見つめる。
(過程がまるでむちゃくちゃよねー…!)
「えー?じゃあ…前戯に時間をかけろと?」
「人の思考盗み読んで、しかも誤解するような言葉返さないで。」
「ふーん。命令するんだ?」
低く含み笑いをして顔を覗き込まれる。
「じゃあ叶さん。
叶さんは僕に何かくれますか?」
「…えっ?」
宗次郎に添えたままの手を優しく握りしめられた。
「えー!?なに?何かあるかな??」
「……じゃ、宿題にしておきますね。」
「宿題?」
「僕、任務があるのでそろそろ行かないと♪」
「なんだ、本当に仕事だったんだね。」
「暇な叶さんとは違うんで。」
「まあ、行ってらっしゃい。」
…あ、そうだ宗次郎、これ!」
「?」
「それ、私のおすすめ少女漫画!また読んでおいて♪」
「…はいはい。」
仕方ないなぁと言わんばかりに微笑まれた。
* * * * *
2日後。
「叶さん、資料ありがとうございました。」
「あ、うん。早いね、さすが縮地。」
「縮地関係ないです。
…で。読んで、叶さんの欲しいものが何かわかったんですけど…」
「…?」
はて?宗次郎よ、なぜそんなに顔を赤くしているのかね?
黙りこくる彼に首を傾げる。
「えっとその…」
「?どしたの?風邪引いた?」
「すぐ人を病気に罹らせないでください。」
「…あーっ!わかった!貸した中に感動モノが混じってたんだ、きっと!それで感極まって号泣したな、さては!」
うりうり~と肘鉄を食らわせるものの、あら珍しい。反撃が来なかった。
「…あれ、そんなにダメージあったんだ?」
「ダメージ…まあ。」
「えー!ほんとにー!?」