第10章 ほろ苦さと幸福感
こんにちは。
実は今日…四乃森さんに告白をするのですが、つれてきた宗次郎に色々食ってかかられておりました。
改めて真面目な状態へと戻していきたいと思います。
「食ってかかられるって、なんですか?」
「そのまんまの意味です。」
「やだなあ。叶さんなんて煮ても焼いても食えないじゃないですか。」
「怖いこと言わないでください。」
……改めて真面目な状態へと戻していきたいと思います。
「まあ、そうだなあ。」
「?」
「緊張したって、緊張しなくたって。結果は同じですよ。」
「そ、そうだよね!きっと大丈夫、大丈夫…」
…そうだよね、宗次郎いいこと言うじゃない。そうだ、緊張に気を取られてたって何もいいことはない。全力を尽くすことに意識を向けなきゃ。
と気を取り直して前向きに感心してたら、まさかの言葉が返ってきた。
「え?まさか成功するとでも思ってるんですか?」
「…!応援してよ。」
肩を並べながら歩く二人は、蒼紫の部屋へと向かっていた。
「四乃森さんお部屋にいるかな…」
「さあ。叶さんがストーカーするから出て行ったかもしれませんよ。」
「ストーカーなんてしてないもん。」
「だって脳内で逢い引きして興奮してたでしょ。」
「!してないもん!!」
「もしくは変な病気の叶さんに関わりたくないか…」
「まだ膀胱炎引きずるのかあなたは。」
「弱いくせにやたら口が動くじゃないですか。」
「泣いていい?」
…ああ、宗次郎について来てもらったら緊張が解れるんじゃないかと思った私が馬鹿だった…。
いやまあ、ある意味解けたけど…コレジャナイ感。
「うーん、四乃森さんいるんじゃないかなぁ。」
「うう…そうかなぁ。」
「鼻血出さないでくださいよ。」
「人をスケベみたいに言わないでください。」
「汚したらちゃんと弁償させますからね。」
「え、まじで?」
「…あ。」