第8章 ローズとエリザベス
「ミャ~」
スコットの足にローズがじゃれつく。
「ローズ…、分かった分かった…
怒らないからエリーと遊んでろ」
ローズはスコットが自分の近くで怒りそうになると、何かを感じてじゃれついてくる。それで落ち着いたスコットはローズを抱き上げ頭を撫でると、エリザベスに渡した。
「ミャ~」
ローズはさっきまでの警戒を解いてエリザベスの腕の中でおとなしくなる。
スコットはシェリーとリンに向き直ると改めて説明を求めた。
「まず、なんでエリーが人間の姿をしている?」
リンが銀河連邦からの荷物の説明をしてから、エリザベスが補足した。
「本当なら艦と一緒にヒューマロイドも出来るはずでしたが、地球人のデータが少なかったので遅れてしまいました」
スコットは、なるほどと一応納得した様子だった。
二人がホッとした瞬間、スコットの眉間にシワが寄り目付きが厳しくなった。
「じゃあなんで、すぐにその報告をしなかった…
シェリー、お前の企てだな?」
名指しされたシェリーは縮こまった。
「すみません…
ちょっと…艦長を驚かそうと…」
スコットは溜め息混じりで二人を見ると…。
「はぁ…二人共、向こう一週間トイレ掃除な」
スコットお決まりの罰に、二人はがっくりとうなだれた。