第8章 ローズとエリザベス
「なんだと!
あそこはこの艦の心臓部だぞ!」
スコットは険しい表情で飛び出して行った。
「か、艦長…」
リンも慌てて後を追った。
ローズはというと、匂いを嗅ぎながらマザーコンピュータ室に辿り着いていた。
「ミャ~!」
ドアが開くとそこにいたエリザベスに駆け寄った。
「あら?ローズですね
はじめまして」
匂いからレイラだと思っていたローズはその声に驚いて一歩飛び退き「シャー!」と警戒し威嚇する様に鳴いた。
「ローズ、落ち着いて!」
堪らず物影からシェリーが飛び出した。
「その人はエリーよ」
「ミャウ?」
ローズは首を傾げた。
「ほ~、その話し詳しく聞かせてもらおうか…シェリー!」
部屋の入り口にはスコットが仁王立ちしていた。
「ひゃっ!…あの…その…」
シェリーはスコットのいきなりな登場であたふたとした。
「艦長、シェリーもリンも悪気があったわけでは…」
エリザベスがシェリーとスコットの間に入った。
「…君は、本当にエリーなのか?」
スコットが改めてエリザベスの姿を見た。
「どこをどう見ても人間にしか見えないな…」
「艦長、女性をそんなに見詰めたらセクハラになりますよ」
スコットは慌てて目を逸らし「コホン」と咳ばらいした。
「シェリー、リン、これはどういう事だ?」
シェリーと遅れて来たリンは神妙な面持ちだった。