第8章 ローズとエリザベス
リンとシェリーはエリザベス宛ての荷物をマザーコンピュータルームへ運んだ。梱包を解くと中にはマネキンの様な人形が入っていた。
人形は髪の色が紫色ではあるが、どこから見ても人間の女性と変わりなかった。
「…これがエリーの分身?凄く綺麗!」
「エリーが人間だったらこんな感じかもね」
リンとシェリーはその人形を見て感想を述べた。
「地球人型ニ、デザインシテアリマス
胸ノカバーヲ開イテ、付属ノケーブルヲ接続シテ下サイ」
見た目も肌の感じも人間そのもので、カバーと言うのは下着である。
「スタイルもモデルみたい…羨ましい…」
リンは自分の身体と比較していた。
「…けど、この下着はダサいわ
もっと可愛いのにしないと!」
シェリーは着けていた下着を剥ぎ取った。
「シェリー、ソレハカバーデスヨ」
「例えロボットでも女性なんだから下着は可愛くないとダメよ」
「でもシェリー、いくらロボットでも裸じゃまずいわ…
それに、このエリーの身体に合いそうな下着なんて…」
二人は顔を見合わせた。
「…いるじゃない!」
「彼女のなら…」
二人は同じ人物を頭に浮かべた。
「エリー、ちょっと待ってて!」
二人は部屋を出て行った。
「アノ~私ノ接続ハ…?」
エリザベスの呟きが虚しく部屋に響いた。