第8章 ローズとエリザベス
リンとシェリーは入荷した荷物がある格納庫で、エリザベス宛ての荷物を探す事にした。荷物と言っても、食材から船体の補修部品や艦内の消耗品まで多岐に渡る。
「こんなにあるの?」
シェリーが呆然と荷物の山を見上げた。
「これでも部署毎に分けてあるんですよ
え~と、ブリッジ宛てはあっちですね」
リンは幾つかある荷物の山から一つを指差した。
「リンはいつもこんな荷物の仕分けしてるの?」
「仕分けはロブさんやレスキュー隊の人や整備班の人に手伝ってもらってます」
リンが答えると、
「リンサンノ指示ガ的確ダカラヤリヤスイッテ、皆言ッテマスヨ」
エリザベスがフォローした。
リンは少し照れ笑いしながら荷物の中からエリザベス宛ての荷物を探し出した。
「あったわ…
シェリー、ちょっと手を貸して…」
見付けた荷物は2m弱の大きさがあり、リン一人では持ち運べなかった。
「これ、何かしらね?」
シェリーは近くにあった台車を持って来た。
「私カラハ何モ頼ンデマセンガ…」
エリザベスも荷物に覚えがなかった。
「え~と…、ヒューマロイド型移動式端末ってなってますね」
リンが納品リストをチェックした。
「ヒューマロイド…?何それ?」
「分カリマシタ
ソレハ私ノ分身デスネ」
「「分身?」」
エリザベスの言葉に二人は首を傾げた。