第1章 1
「・・・お前でもそんな声出すんだな」
「・・・・・。」
突然背後から声をかけられ驚きのあまり身体をビクつかせた。振り返るとそこには目を丸くした跡部が立っていて無言で奴を威嚇した。
「・・・何か用?」
「いや、別に用はねぇがお前がぼけっとしてたんで声をかけに来たんだ」
「あぁ、そう・・」
私、ぼけっとしてたのか・・。
人に指摘されるまで気がつかなかったことに少し羞恥し、目線を下に向ける私に跡部はまたさっきと一緒の言葉をかけてきた。
「それで、何を頑張るんだ?」
「・・・・・・・・・・」
目線が・・・上げれない・・・・
痛いところを突かれて下に目線を向けたまま身動きが取れなくなってしまった。
っていうか・・・
「・・・私、声に出してた?」
「俺様のインサイトは誤魔化せねぇ」
「・・・・。」
お前・・・・・・何者だ。