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犬猿の仲

第1章 1




1軍の皆に一通りあいさつをしてから部室を出て皆と一緒にテニスコートの方へ向かった。

なんでも今回は1軍2軍全員の前でマネージャーを紹介するだとか。「そんな大勢の前に立つの嫌なんですけど」と跡部に言えば「いつも全校集会の時立ってるだろ」と切り返される。その言葉に反論できず悔しがる私に忍足がドンマイっと言うようにポンと肩に手を置いた。

忍足はクラスが2年間も一緒だったが、あまり会話をしたことがなかったため今の状況に対して少し驚いている。最初の頃よりはコミュニケーションが取れる様になったし、結構いい人かもとも思うようになった。部活って人間関係を繋げれる輪でもあるんだなぁと改めて関心した。





テニスコートに着くと2軍の部員は既にコートでアップをしていた。コートは3面あり、皆ラリーをしたり素振りをしたりと自主練習をしていた。だが、1軍がコートに入ってきたと気づくと皆自主練習を止めて1コート側に整列し始めた。


「ちわっ!!」と1年生の一人があいさつするとそれに続いて次々とあいさつが飛び交ってくる。ふとコートの端を見ると女子生徒がオロオロと挙動不審な動きをしていた。




あれは・・・・



「そんな所で何やってやがる。こっちに来い」


跡部がそう言うとビクッと弾かれた様に肩を上下に激しく動かした女子生徒。そして顔を強張らせながらこちらの方へと駆け寄ってきた。


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