第1章 1
彼との出会いはそう、中学1年だった。
彼、名前を跡部景吾。
彼は大柄な態度と整った顔立ちを持っている・・
つまり、とても偉そうな男だ。
私は幼稚舎からの持ち上がりなので彼を知ったのは中等部の入学式。
なんでもイギリスから来たとか。
生徒代表で偉そうな物言いをした彼を誰しもが「なんだ、あいつ」と思っただろうが、跡部財閥の跡取りでスポーツ万能、頭も良い彼を皆はすんなり受け入れていた。
そんな彼をほっとく女子は居らず、たちまち彼は女子の憧れの的となったのだが・・。
どうも私は彼が苦手でしょうがない・・。
はっきり言って大嫌いだ。
何故、と聞かれると素直に出てこないのが苛立たしい。
何故、と聞かれても嫌いなものは嫌いだ。
しょうがないではないか。