第11章 No.11
一日目のインハイが幕を閉じた。
結果は、
初日にしてはまあまあなとこ。
「なーんかな、今日は新開を応援しにきたのに、なんか尽八一番応援して終わっちゃったじゃーん。」
東堂「いいじゃないか!のおかげで山岳賞獲れたんだぞ!?俺!?ねえ!?」
私は選手たちのテントで尽八に愚痴をいっていた。
新開は総北の田所くんと話しているらしく、
私は尽八と二人きりだった。
「まあーけどかっこよかったじゃん尽八。ひゅう。」
東堂「新開みたいな言い方やめろ。」
私は尽八のカチューシャをクルクル回しながら笑っていた。
新開「お!おつかれ尽八、ちゃん。」
東堂「新開!今日はなかなかいいレースだったな!」
新開「スプリント泉田に獲らせてあげたかったけどなあ。」
東堂「新開の出番は明日だな!今日は俺が輝いた日だ!ワッハッハー!」
新開「ああ、間違いないな!」
尽八と新開はお互いをたたえ合って、
ポカリで乾杯をした。
新開「ちゃんもありがとう!見えたよ!」
「あ、え、私何もしてないよ!!」
新開「観に来てくれてるっていう事実がどれだけ俺の支えになっているか!」
私は魅力も才能もない人だからまさかこんな私でも人の力になれるんだって思って、私まで元気が出た。
「ありがとう!!」
新開「えっ…/// 俺の方こそありがとう!!明日も応援頼んだぞ。」
そう言って、新開の大きな手は私の頭をポンポンと撫で、新開はテントを後にした。