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【弱ペダ/新開】王子と女の子D【甘】

第10章 No.10


黒田はずっと私を気にかけてくれて、
ポカリだったり、タオルだったりを、
渡してくれる。

「大丈夫だよ。笑 そんなことより、黒田も飲みなよ。」

黒田「頂きます…。落ち着かないんですよ…僕もクライマーなんで…早く来ないかな…東堂さん…。」

「来るよ、尽八は強いから。」

そう、昔から、なんだかんだで強かったから、尽八はきっと一番に登ってくる。





ワァーーーー




遠くの方から歓声が聞こえてくる。

その歓声はだんだんと近づいてくる。

『尽八が来る』という事実になんだかワクワクしてしまった。






(あと少しだ…頑張れ…尽八…)




「巻ちゃーーーーーーーん!」
「じんぱちーーーーーー!」




2人の声は確実に、少しずつ、近づいてきた。





「どっちだろ。どっちが先頭かな。」

黒田「分からないです。けど、東堂さんって信じてます。」





私は息を飲んだ。





そしてやっと見えた尽八と巻ちゃんは、
並んだ状態で激漕ぎをしていた。

辛いはずなのに、なんだかお互いとても楽しそうだった。

この戦いが終わってほしくない感じ。
そう思ってるはずだ。

けど、観てるこちらも、
こんなにワクワクする闘い、
終わってほしくなかった。


「東堂様ー!」

「総北ー!」

「がんばれー!!!!」


両サイドからみんなが声を掛ける。


私は設置されていた柵に目一杯身を乗り出して、
叫んだ。










「尽八ーーー!負けたら怒るよ!!!!!!」







その瞬間尽八はニカッと笑い、一瞬巻ちゃんより前に出たような気がした。









『山岳賞を手にしたのはーーー
ーーーー箱根学園ゼッケン3番!!山神!!!
東堂尽八!!!!』



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