第10章 No.10
ーシャーーーーーッ
きたっ!!
凄く体格の大きい黄色ジャージの男と、
赤頭の黄色ジャージ。
そしてそんな大差なくマッチョの箱学の子がついていく。
一瞬の出来事すぎて、
声をかけることもできず、
気づいたら、目の前を通り過ぎていた。
「わぁ…はや…。」
私はあっけにとられ、身を乗り出して彼らの後ろ姿をみていた。
ーシャーーーーーッ
あ、もう一台、
と思って振り向いた瞬間、
いたのは新開だった。
パワーバーを口で咥えながら、
私から目を絶対に離さなかった。
私はなにもできず、
口が半開きのまま、
新開の目を必死で追いかけた。
新開はニコッとしたあと、
すぐに目を道へ戻し、
漕ぎまくってた。
一瞬の出来事だったけど、
一瞬には感じず、
なんだかまた彼に吸い込まれそうだった。
「~~~~~~!」
って、いい気分だったのに、
ぶち壊してくれるのはいつも、こいつ。
東堂「ー!俺は登るからなー!巻ちゃんと戦うからなー!見といてくれよー!」
荒北「うっせェよ東堂!!!!!回せ!!!!!」
荒北くんに怒られる、尽八。
そりゃそうだ。
インハイだよ。笑