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【弱ペダ/新開】王子と女の子D【甘】

第10章 No.10



『それでは前年度王者の箱根学園のみなさんにー』

ステージの方でどうやら箱学の紹介をしているらしい。

私は遠くからステージの上のみんなの様子をみることにした。

尽八は相変わらずおちゃらけていて、
新開と荒北くんになにかつっこまれていたけど、
それでも王者の風格はすごかった。

圧倒的だった。

?「さん」

「へっ!!」

黒田「そんな驚かないでください。笑 黒田です。二年生の。」

突然私に話しかけてきたこの彼は自転車競技部の二年生。
クライマーの黒田くん。
あまり話したことはないけど、みかけたら会釈するぐらい。

どうしたんだろう、突然。

黒田「さんを案内しなきゃいけないんです。めちゃくちゃいいスポットに。」

「え?そうなの?誰の指示で?」

黒田「言わなくても分かるんじゃないスか?さあ、行きますよ。」

「え!けどレース始まっちゃうよ!?」

黒田「だからこそです。始まる前にそこに行かないと、意味がないんです。」

黒田は私の手を取り走り出した。

「説明不足すぎない!?」

黒田「いいんです!!!いけばわかります!!」

なんだかわかんないけど、
必死な黒田からは真剣さが伝わってきたから、
とにかくついていった。

しばらく走ると開けたとこにでてきた。
そして、一直線な道。

とにかく太陽が暑かったけど、
黒田にはここにいろと言われた。

ポカリを渡され、
タオルを渡され、

そして黒田はここで待っててください!
とだけ言い残して消えていった。




なんだなんだ。
なにが起こるんだ。




とにかく暑すぎるから、私は黒田にもらったポカリを飲んだ。

こんな暑い中、新開や、尽八たちは走ってるんだなあ、って思うと本当にすごいなあ、って思った。




20分後、
女の子たちが突然湧き始めた。



「くるよー!」
「写真ちゃんととってねー!」
「きゃー!やばいー!」




なんだなんだ?


黒田に案内された場所は、
私以外誰もいない秘密基地みたいなとこだった。

女の子たちの歓声が聞こえ、
車輪の音が聞こえた。


「あ、来るかも…。」


突然ドキドキし始めた私は道から目を離さなかった。

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