第7章 No.7
しらすコロッケを両手で大事に持って、食べています。
緊張して新開の顔はあまり見れません。
私服ってなんでこんなにドキドキするんだろうか。
しかもこんなに筋肉が凄かったなんて…。
ふいにいい匂いするし…。
しらすコロッケのおばちゃんにカップルって言われても否定しなかったし…。
脳内ぐわんぐわんです。
新開「うんっ、やっぱうまいなしらすコロッケ!」
「私も昔から大好き。」
新開「なんか飲み物買ってくるよ。」
「え、いいよ私も…。」
新開「ちゃんはここで待ってて。」
しかも気が利く…。
なんでそんな王子様みたいな人が私と一緒にいるんだろう。(何回目だよこれ言うの。)
けど、それぐらい信じられないんだよね。
私は新開のことをベンチで待っていた、その時…。
「ヘップシ!」
「っせェなァお前!もっと普通のくしゃみできねーのかヨ。」
「荒北!声がでかいではないか!」
「おめーのくしゃみよりはマシだなァ!」
は。
荒北「あ。」
東堂「む。」
「…。」
新開「ちゃんお待たせっ…。ん。」
「…。なんでいんの?」
東堂「あ、いや、これはだな、荒北とたまには買い物に…。」
荒北「ハァ!?なんで俺がおめーの買い物に付き合わねーといけねーわけェ?ココ湯本だぞ!なンもねーだろォ!?」
東堂「あ、か、買い物ではなかったな…!うんうん、そうだそうだ。温泉だったな!温泉!」
荒北「ハァーーー!?寮で毎日てめェと風呂入ってンのに、金払ってまでおめェと一緒は勘弁だ!やだ!ハッ!」
もうこうなってくると、尽八がかわいそうになってきた。
やりたいことは大体わかってるのに、こっちは。
けど尽八のてんぱり具合が面白くて、あえてなにもしいなかった。
東堂「わかったわかった!帰ろう荒北!な!じゃーな!新開!!」
荒北「ハァーーーーーー!?来たばっかなのに?もう帰ンのかヨ!めんどくせーーーーーナァ!!!!」
荒北は尽八に引きずられながら、退散していった。
私と新開は顔を見合わせて、笑った。
新開「かわいいなあいつら。だから憎めないし、大好きなんだよな。」
「いいチームメイトを持ったと思う!」
新開「俺の誇りだよ。笑」