第6章 No.6
・・・そんなこんなで、優しい俺たちは猛ダッシュで新開の服を決めている。
「あと何分だ?」
新開「あと20分でここを出なきゃ間に合わない。」
荒北「ハッ、そんなんおめェが全力で漕げば、あと30分はあンじゃねーのォ?」
「お前はバカか。」
荒北「ンだとォ!?!?」
「全力で漕いでしまったらせっかくのデートなのに、汗だくな上髪の毛も乱れてしまうではないか。」
荒北「しんねーヨ、そういうことはァ!!あー、めんどくせっ。」
そう吐き捨てて荒北は新開のベッドで横になった。
さてと、おしゃれ番長の出番だな。
新開は体格にめぐまれている。こういう春と夏の間という微妙な季節はシンプルで問題ない。
「このVネックの白Tにこのジーンズを合わせてみろ。腰にはこの青のバッファローチェックのシャツを巻くんだ。そっから…ニット帽、これ被ってもいいな。靴はこのスニーカーだな。」
新開に全てを渡し、着替えさせた。
俺はやはりセンスがあるなー、凄くイケている。
天才だなー。
新開「オーケー、尽八。」
「おぉ、それ俺にも言ってくれるのか。どれどれ?見せてみろ。」
着替えてきた新開は完璧だった。
モデル並みにいい体型をしているから、本当に白Tが映えていた。
「完璧だ。」
荒北もむくっと起き上がり「良いんじゃナァイ?」とだけ言い捨てて、部屋を出て行った。
「そして、ジャスト20分だ。いってこい、新開隼人。」