第5章 No.5
さやか「ごめんなさい、ごめんなさい…。」
「は?」
こんなに怯えてるさやかははじめてだった。
「おぉ、さっきのガキじゃねぇか?あぁ?」
さやかの目線の先に目をやると、
さっきベンチにいた、頭の悪そうなやつだった。
「なんだ、お前。」
森「俺の名前は森俊也。その女かばってどーすんだよ。なんも使えねーただのクソ女!!」
男はものすごい勢いでさやかに近づこうとした。
俺はそれを止める。
「てめぇのその汚い手でさわんじゃねーよ!ボケナスがァ!」
森「なんだと、このクソガキ?」
額をくっつけて、もはや0距離。
手を先に出したほうが負けだ。
卒業できなくなる。
せっかくさやかにすげー教えてもらったんだ色々。
ってなんで今さやかがでてくんだよ。
まあいい。
とにかく。
我慢しろ、俺。
次の瞬間、視界が一瞬歪んで、
俺は地面に膝をついた。
男のフックが俺に当たった。
やり返したいけど、だめだ。耐えろ。