第5章 No.5
やっとさやかが笑顔になってくれた。
それでも泣き止まなかった。
泣き止むまで、俺はずっとさやかのことを抱きしめていた。
意外とほっせーなーとか、
意外と身長ちっせーなーとか。
考えてた。
段々とさやかの鳴き声は聞こえなくなっていき、
やっと、泣き止んでくれた。
さやか「ありがとう、荒北、もう大丈夫」
さやかは俺の腕からするり、抜けていった。
「帰っぞ。」
さやか「うん。帰ろう。」
俺たちは駅へと向かっていた。
その途中。
さやかが突然、俺の腕を掴み、動かなくなってしまった。
「おい、どうしたんだよ」