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【弱ペダ/荒北】ワガママなおりこうチャン【甘】

第5章 No.5


すると、やっと、出会えた。

目に大きな痣を作って、
髪の毛がぼさぼさになっている、
さやかの姿が。

俺はそんなさやかの姿を見た瞬間いてもたってもいられず、
ビアンキから飛び降り、さやかの元へ駆け寄った。

さやかの両肩を抱えて、
体を支えた。

「おい!どうしたんだよ!!!!!」

さやか「彼氏…あ、元カレか。にやられた。」

弱々しい声で答えるさやか。
今にでも崩れてしまいそうなその体は微かに震えていた。

「…。」

俺はなんて声をかけてあげればいいかわからなかった。

『辛かったね』
そんなの言われなくてもつれーよ。

『頑張ったね』
おめーの方が頑張れよ。

『大丈夫?』
大丈夫じゃねーから俺を呼んだんだろ。

『俺がいるよ』
ああ、そうだ、それは事実だ。けどんなこと言えるか、東堂じゃあるまい。

正解なんてきっとない。
だから俺は、静かに、さやかを、
抱きしめてやった。

「…めんどくせーな、お前。」

さやかは俺の背中に腕を回し、
わんわん泣き始めた。

時折さやかの力が強くぎゅっとなる。

女にこんなことをするなんて、
とんだクソ野郎だ。

いつも強気なさやかがこんなに子供みたいに弱くなっているのは
初めて見た。

さやか「こ、わかった…よ…」

「無理に話すな。話したかったら話せ。話したくないなら、いい。」

さやか「あら、きた…」

「なんだよ。」

さやか「ありがとう…っ」

「…っ/// るっせ、ほめんな…。」
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