第5章 No.5
小田原にはついたものの、
そういえば小田原ってくそみたいにでけーよな。
どの辺りを探せばいいんだ。
電話のヒントは線路沿い、だから、
とりあえず線路沿いを走ってみる。
小田原もいい街だよなァ。
城もあるし、海鮮うまいし…。
って、俺はさっさとさやかの場所探り当てて、
さっさと帰る。
「お前本当に可愛いな!」
「やめてってばー!」
公園のベンチにどすん、と頭の悪そうな男と、女が
でけー声でイチャついてる。
迷惑すぎんだろ。
俺は野獣みたいな目でやつらを睨みつけ、
自転車を走らせた。
「おい!こっち見てんじゃねーよ、ガキ!」
あーめんどくさい!今はそんなことに巻き込まれてる時間はねぇええ!
「逃げてんじゃねーぞ!」
これは逃げじゃねぇ逃げじゃねぇ
あとでボッコボコにしてやんよ
ただ、今じゃねぇ
悔しい気持ちはたくさんだったけど、
さやかの元に行くのが第一だったから、
俺は自転車を走らせた。