第5章 No.5
俺はしばらくその場に立ってた。
このままでいいのかな…って。
けど、考えても意味ねーから、
俺は新開と東堂と合流することにした。
やつらは美味しいハンバーガー屋さんをみつけたらしく、
そこに向かっていた。
俺も自転車にまたがって、ハンバーガー屋さんへ向かう。
湯本からハンバーガー屋さんは少し距離がある。
海沿いにあるハンバーガー屋さんは地元のサーファーにすごく人気らしい。
どういうところでこういうの見つけてくるんだろう。
天気もそんなに悪くない。
気温は相変わらず低いけど、
それに関しては問題なしだな。
走ってれば汗かくし。
~♪~♪
携帯がポッケの中で鳴っている。
俺は自転車を止めて、画面をみた。
「…。」
『着信:さやか西木』
俺の悪い予感は当たったのか…。
「どぉした?」
受話器の向こうから何も聞こえない。
聞こえるのは電車の音?だけ。
こいつは外にいるのか。
『…。』
相変わらず何も言わない。
「なんもねーなら、切るぞ。」
なんか言ってくんねーと、
全く状況がわかんねーんだよ。
「んじゃあな、切るから『今すぐ来て。』」
出た。
またわがままなこと言いやがるこのおりこうチャアンは。
「どこだ。」
ちゃんと聞いてやる俺も偉い。
なんでこんなにこいつい言うことを聞いてしまうんだ。
『小田原…。』
声は震えていた。
いつものさやかとは違って、
怯えてる声だった。
「なぁんでそっちの方までいってんだよ…。くそ、わーったよ。待ってろ、ボケナス。今すぐいってやんよ。」
ーブチッ
電話を切って俺は小田原へと向かった。
さほど湯本から離れていなかったから、
小田原までは、一瞬で着く。
にしてもなんなんだあいつ。
今日は今すぐ来て系が多すぎるだろ。
俺をなんだと思ってるんだ。
俺を誰だと思ってるんだ。
今までこんな風に俺を振り回す子がいなかったから、
嫌いじゃねぇ。
むしろ、好きだ。
ハッ。
待ってろ、西木。
何があったかしんねーけど、
俺が必要だから俺にかけたんだろ?
良いんじゃナァイ?
くっそわがままなおりこうチャアンがァ…!!