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【弱ペダ/荒北】ワガママなおりこうチャン【甘】

第1章 No.1


「…さっび。」

季節はもう冬。
箱根の冬は寒い。

俺は小走りで自販機までたどり着いた。

ポッケから小銭を出そうとした瞬間、
うまく手がポッケから抜けず、小銭をぶちまける。

「うっぜ…。」

俺が小銭を拾おうとしたら、
女の手が伸びてきた。

「ンだよ、自分で拾えーー」

(え、こんな女いたかよ…。)

俺の前にはきれいな長い黒髪の女がいた。

瞳はグレーのカラコンをしていて、
唇は深い赤色のリップをしていた。

あまりにも綺麗な瞳に俺は言葉を失う。

?「早く自分の飲み物買いなよ。私も早く買いたいから。寒くて死にそう。」

そう言って女は俺の小銭を手の上に乱暴に置いた。

「るっせーなァお前。大体誰に向かってそんな口の利き方してんのォ?」

「お前だよ、下まつげくん。早くして。」

こいつ、強い…。

「わぁったヨ…。」

何言うこと聞いちゃってんの。
何俺急いでボタン押してんの。

ーガランッ

俺は自販機から出てきた飲みものを持って、
そそくさとその場をあとにした。

(うっぜぇ女。俺に対して一ミリもビビんなかった。いい度胸じゃねェか。)

俺はベプシの蓋をあけて、
勢いよく飲んだ。

「…っ!うぐっ!!」

ベプシのラベルをみたら、
間違えてウーロン茶を買っていた。

どんだけ俺はあの女に圧倒されて、
急いでしまったんだ…。

俺としたことが…。

俺はしょんぼりしながら図書館へと戻った。
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