第1章 No.1
最後のインハイが終わり、
俺ら箱根学園自転車競技部三年生は、
引退をした。
凄い悔しい結果になってしまったけど、
総北に勝てなかった俺らがいけなかった。
来年の泉田率いる新生箱学に願いを託して、
俺らはそれぞれの道を歩んでいくんだ。
悲しいけどそれが現実。
その場で足踏みしてても靴の底は減るだけで、
なにも変わらねえ。
みんながそれぞれ一歩を踏み出す時なんだ。
「…チッ。わっかんねーヨ。」
新開「靖友、教えてあげようか?」
「るっせ!近づくな…。」
俺は今、その一歩を踏み出すために受験勉強という
とてつもなくでけェ壁にぶち当たってる。
俺が行こうとしてる洋南大学は俺の今の頭じゃなかなか厳しいレベルだから。
けど箱根学園に奇跡的には入れたからな。
受かる気もするんだけどヨォ…。
過去問難しすぎねーかァ?
「…だぁあああ!ベプシ買ってくるぁ…。」
新開「そうピリピリするなって。時間はまだあるんだからさ。俺らに頼ってもいいんだぞ。」
東堂「そうだ、荒北。一人で悩む必要などない!」
なんかもごもご新開と東堂が言ってる。
みんなに頼るのは最後の手段だ。
俺は自分の力でどこまでいけるか知りたい。
あいつらに頼るの恥ずかしいしな。
だから俺一人で勝ち取りてーんだヨ。