第4章 No.4
「…おめェ本当に大丈夫?」
さやか「大丈夫に決まってんじゃん。ありがとう、話聞いてくれて。ちょっとすっきりした。」
いや、大丈夫なわけがない。
俺には分かる。
あんまりこいつとの付き合い長くないけど、
俺には分かる。
「…本当に?」
さやか「どうしたの。笑 私のこと心配してくれてるの?笑 荒北っぽくないじゃん。」
「いや…別にそんな…。」
さやか「んじゃ、帰るね!ありがとう!突然呼び出したのに、来てもらって!」
このままさやかを帰してもいいのか?
なんだか嫌な予感がする。
野生の勘なのか、俺が匂いで察知した信号なのか、
分からないけど、俺の体は勝手にさやかの腕を掴んでた。
さやか「…えっ」
「な、なんかあったら、俺に言えヨ。一人で抱え込むんじゃねーよ、ボケナスがァ。」
俺はそんなことしか言えなかった。
そう言ってさやかの腕を離して、
頭をかいた。
はずいじゃねェかよ。
そんなひとみでみつめてくんな。
さやか「本当に、優しいね、荒北。ありがとう。なんかあったらすぐ言う。」
さやかは優しく俺の腕を払い、
小走りで去っていった。