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【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】

第25章 強化合宿はじめます





「私は、寂しいなんて知らなかった。」



私はココに来るまで
あまり”寂しさ”という物には縁がなかった。

幼い頃から家族の愛など知らずに
ひたすら耐え抜くだけの日々。

そんな自分には価値はないのだと決めつけて
近くに寄り添ってくれる人間を
やんわりと当たり障りなく遠ざけていた。

そうでもしなければ自暴自棄になって
助けてと誰かに縋りついてしまいそうになるから。

だから自分を全てしまい込んで
何となく心配されない程度に人と関わった。

生憎私は世渡りは下手ではないらしく
それなりの位置でそれなりの関係で過ごして
自分の感じる理不尽や苦痛を
誤魔化しながら上手に生きていたんだ。



「師範たちが自分に価値がないっていう
私の逃げ道を思いっきりぶち壊してくれた。」



初めは正直うざったくもあり怖くもあった。

けれどソレが偽りの物でないと分かり
どうしても否定が出来なくなってしまった。

柚樹と義慈の優しさに戸惑って
否定したくても出来ないほど大切にされ
自傷気味な考えなど、この人達の為に
治さなくてはいけないと毎日自分を叱咤した。

毎日が地獄のように辛かった。

幸せだと思いつつも
自分の価値など認めたくもなかった。

守る事だけに縋って無責任に生きるのが
とてもとても楽に感じたんだ。

きっと認めてしまえば
今まで生きてきた過程が全て否定されて、
自分の事を嫌う人を心の底から恨んでしまう。

そしたらいよいよ私は
大嫌いな悲劇のヒロインに成り下がって
また新しい葛藤と戦わなくてはならない。

そんな風に思って辞めようかと
1人で悩み苦しむ日もあったりした。

それでも2人は私を真っ直ぐ大切にしてくれた。


だからこそ、コレ以上は
柚樹と義慈を悲しませたくないと
何とかわからず屋の自分の心に
無理矢理折り合いをつけながら
必死でその想いに向き合ってみた。

その傍にはやっぱりいつも2人がいて
挫けそうな時は手を引いてくれたんだ。

きっと2人が居なければ
私はあのまま考えることを放棄して
守ることの意味も気が付かずに
楽に、無責任に生き続けていただろう。


それを繰り返すうちにフッ。と
自分の心の底に眠っていた事実が見えてきた。


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