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いつだってあなたのことが

第16章 背中を辿るあなたの指先


「…大丈夫?他に凝ってるところ、ない?」

「ええ、蛍のおかげですっかり良くなりました。ありがとうございます。」


背中を向けたまま、振り向いてにこにこと笑みを向ける宗次郎。ちょっとはにかんでしまった。

宗次郎の肩揉みを終えた私。手や指にまだ残る温もりに想いを馳せてしまう。好きな人の身体に触れるというのは、居心地も良いけど…どきどきしてしまって堪らない。

…内心、宗次郎って細身だけど鍛えられてて。肩や背中の筋肉だって私とは違ってて、やっぱり男の人なんだな、なんて。
そんなことをぼんやり考えていると。

くる、とこちらを振り向いた宗次郎。
そのまま私にぎゅっと抱き付いた。



「そ、宗…?//」

「気持ちよかったです。」


抱きしめられて、そんなことを囁かれて。かああ、と頬が熱くなるのを感じる。
お疲れ様、と言いながら手のひらを背後に回され、そして。


「…蛍はどこか疲れてないんですか?」

「えっ?」

「僕もしてあげたいなぁって思ったんですけど。」

「えっ…?あ…いいのかな…?」


そのまま、指先が肩をそうっと撫でていく。
撫でていきながら、人差し指と中指でぐ、ぐ、と一点ずつ肌を押し込めていく。

──正面から抱きしめられているから、押されると密着してしまうというか…宗次郎により身を任せる形となって。


「宗次郎…これちょっと恥ずかしい…」

「蛍の凝ってるところ探してますから。」

「…後ろ向きたいんだけど。」

「いいじゃないですか。くっつけるし。」


軽く流された。でもこの笑顔で、この温もりの中で言われてしまうと何も肯定できない。


「でも、んっ…!」


宗次郎の指の先端が一点をぐりぐり、と押したとき、思わず身体が跳ねてくぐもった声が出た。
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