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いつだってあなたのことが

第15章 とある疑問符


「ちょっとずつっていつかな?明日??」

「明日は無理だなぁ。まだまだですよ。」

「明日の明日?」

「もっと先。」

「明日の明日の明日??」

「蛍がこの話を忘れた頃じゃないかなぁ。」

「わかった!…それはいつ来るの?」

「蛍、ただ忘れた時じゃありませんよ。」



「じゃあ…それはいつ?」

「…さあ。蛍が素敵な女の子になった時じゃないかな。」

「ふーん。…私、今素敵じゃない??」

「もちろん、素敵ですよ。でもね、蛍はもっともっと、素敵になれると思いますよ?」

「じゃー…その時に恋が出来るの?」

「そうだといいですね。」

「…そっかぁ。」



落ち着いたように、蛍はにっこりした。



「…あのねあのね。」

「はい?」

「私は宗次郎のこと、好きだよ!」

「ありがとうございます。」

「いつも一緒にいて欲しいし、こうやって一緒にお話してると嬉しいし。」

「僕もですよ。」

「でも、そっかぁー。恋じゃないんだ!そっかそっか!」



無邪気に笑う蛍。



「早く恋がしたいなぁ。」

「そうですか。」

「宗次郎に恋したい!」

「そうですね、………え?」



今の…なんですか?



「私ね、宗次郎が好きなの!だからこのまま、もっともっと宗次郎が好きになりたい!それで、宗次郎に恋するの!」



素敵でしょ?と蛍は満面の笑み。僕もつられて微笑んだ。



「それは…嬉しいなぁ。」

「ほんと?ありがとう!」

「それじゃあもう、今日はおやすみ。」

「うん!おやすみなさーい。」



頭を撫でると、ふふ、と声を漏らして蛍は目を閉じた。

扉を開け、閉じる前にもう一度蛍の方へ目をやると、小さい寝息が聞こえた。



「…恋、かぁ。」



僕も正直、全然わからないなぁ。さっきのはよく聞く言葉を並べただけで。うーん、そういえば今までよく考えたことなかったなぁ。特にしてみたいとも思わないし。



──私ね、宗次郎が好きなの!だからこのまま、もっともっと宗次郎が好きになりたい!それで、宗次郎に恋するの!


…やっぱり、蛍はおもしろい子だなぁ。





さあ、また#蛍#に読み聞かせる本を探しとかないと。
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