第1章 いつだってあなたのことが
「…私も。忘れたことなんてなかった。」
「そっかぁ、よかった。」
笑みを漏らす宗次郎。思わず見とれてしまっていたけれども、彼もこちらを見つめ返した。
「…蛍さん、ただいま。」
「…うん。おかえり。」
「……」
「…ふふっ。」
「…僕達、何度このやり取りするんでしょうね?思わず言ってしまいましたよ。」
「気が済むまで、しよっか。」
「…幸せなことは何回あってもいいってやつですか。賛成です。」
互いに内容のない話をしている、と微笑み返しながら。
収まりきらない嬉しさを二人して噛み締めるのであった。
いつだってあなたのことが.fin
(以下、後書きです。)
(ほら、蛍さん。蛍さんのことばかり考えてたら、道中口にした美味しいものも蛍さんにと買ってきちゃいまして。)
(わっ、色んなお菓子が…!)
(これなんて最高ですよ。はしかぷ餅。一緒に食べましょう?)