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◆DQX "シフォンケーキは誰のもの?"

第1章 伝わらない|スキルマスター


あれから何日か過ぎたけど
私はダーマ神殿に行っていない

これで良かったんだ

だって行ったらまた彼を
マスターを困らせてしまう


気持ちに蓋をする為に、日々討伐に明け暮れた

いつも彼の所へ行って
傷を癒してもらっていたけど
今は適当な宿屋に泊まったりして
傷を癒すことが殆どだ

そうして彼の元へと行かなくなってから
もう2ヶ月が経とうとしていた

そんな討伐ばかりしてた私に
何やらディエゴがお願いがあるらしく
マスターと会わなくて
済むように待ち合わせをした


そのお願いというのは
とんでもなく強い敵を倒せたら
スキルポイントを解放するから
挑戦してくれないか、というものだった


まあ、いいかと思いながら挑むと
予想以上に強くて、ボロボロに
なりながらもなんとか倒した

早くスキルポイントを解放してもらおうと
ディエゴのもとへ行くと

最悪のタイミングだった


会わないようにしてきた彼が
目の前にいる

そして傷だらけの私を見て固まっている


あーあ…会いたくなかったな…

せめて会うならもっと綺麗な時に…

などと思ってしまった自分を
心の中で叱りながら急いでその場を離れる為に
ディエゴに解放を頼む


解放もなんなく終わり
彼を見ないようにして足を踏み出した瞬間

ぐいっ、

どう考えてもディエゴじゃない

これはスキルマスターだ

何故

「… …離してください。
私、この後用事があって急いでるんです。」

顔を見ずに突き放す

なのに

「○○さん、
少しでいいのでお時間頂けませんか。
お怪我もしてるようですし…。」


どうして、どうして
貴方はそんな事を言うの
まだ、好きだから…
また困らせてしまうから


「無理です、ごめんなさい。
私、急いでるので。」

それじゃあ、と手を振り払い行こうとすると
体力が先程の戦闘で思ったよりも
削られていたようで、身体がふらつく

ぽふ…

「やはり、だいぶお疲れのようですね。
少し休まれた方がいいですよ。」

そう言いながら、私を抱えたまま
何処かの部屋へと歩き始める


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