第13章 ●夜会の後●
目を覚ますと知らない天井が見えた。
今度はどこだ。
「起きたか」
声の方を向くとリヴァイ兵長がいた。
「あの…ここは…」
「ここは俺の自室だ」
淡々と兵長は続けた。
「お前が飲まされたクスリの正体がわかった。ご丁寧にあの部屋に瓶が置いてあったそうだ。結構後を引くシロモノらしい。
どうもお前を狙ったようだが、相手に心当たりはないのか」
そんな褒められるようなお人好しでは無いが、恨みを買う覚えもない。
「まぁ心当たりなさそうだな。あれば聡いお前のことだ、襲われながらでも目星が付くだろう」
うーん…と考えていたが、まだ頭が少しボーッとする。
いや、それより普通に話してるけど、
兵長と私…。
徐々に記憶が蘇り始め、昨晩の自分の痴態を思い出してきた。
恥ずかしさと惨めな思いが込み上げ、布団に顔を埋めたくなった。
「兵長…あの、昨晩は私にお付き合いいただいてすみませんでした。
あと、助けていただいてありがとうございました」
なんと言っていいかわからず、この言葉選びが正しいかわからなかったが気持ちが少しでも伝われば良いと思った。
「問題ない、それについてはな。
むしろ、俺やエルヴィンがついていながらすまなかった」
「いえ。それに医務室じゃなくて、兵長の自室なんて恐れ多いです。すみません、すぐに失礼しますので」
身支度しようとすると、
「待て。お前はしばらくこの部屋を使え。というよりこの部屋から出るな」
リヴァイ兵長に止められた。