第4章 二つ目の新しい仕事
エルヴィン団長が不在になって三日が過ぎようとしている。
顔を合わさなくて少しホッとしていた。
夕食の為、食堂に入ると、
「エマ、久しぶりに一緒に食べよう!」
声の主はレイドだ。
レイドはさすが人当たりの良い性格で班だけでなく兵団全体に既に馴染んでいるのを知っていた。
「ハンジ班はどうだ?」
「みんな優しい人ばっかりね。
ハンジさんも変わってるとは思うけど、あの探究心はすごいと思う」
レイドはネス班だ。
調査兵団の兵士はわざわざ危険しかない壁外へ出る任務を選んできた人たちの集まりというだけあって変わり者が多い。
だが、揃って皆人類の未来の為に心臓を捧げた、志の高い優しい人ばかりだ。
「今エルヴィン団長が王都に行ってるだろ?
次の壁外調査の最終打合せらしくて、帰ってきたら日程が発表されるぞ」
「へぇー、じゃあいよいよ実践なんだね」
「そうだ、いよいよ初陣だぞ。しっかり戦果を残さないとな。
ところでエマ、お前兵団の中ですごい人気なの知ってるか?」
「え?」
「リヴァイ兵長に次ぐ実力を持った白銀の天使だってよ。
俺は同期として鼻が高いぜ。
先輩方や他の訓練兵団出身のやつからも紹介してくれって言われてるんだよ」
「それで、適当に流してくれてるんでしょ?ありがとうね。
リヴァイ兵長に次ぐとは恐れ多いけど」