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白銀の女神[リヴァイ・エルヴィン]

第34章 遠回りの結果




「…昨日はすまなかった…」



兵長は表情を変えず口を開いた。



「…俺はずっとエルヴィンに嫉妬している。
戦うこと以外で俺はあいつに敵うところなんて無いと思ってるからだ。
冷静で紳士的で優しく思慮深い。それに背も高い…。
あいつに言い寄られたらどんな女だって落ちないはずがねえ」



兵長は前を向いたまま、私の方は見ずに話を続けた。


「俺に無いところばかりだ。
…エルヴィンと俺の立場が逆だったとして、エルヴィンなら昨日のようなことは絶対にしないだろう」


兵長は、一呼吸置き私の方に向き直った。


「俺はお前を愛している。
それはこれまでもこれからも変わらない。
お前が俺を赦してくれるなら俺の心はいつでもお前の側にある」



私は自分の頰に涙が伝うのを感じた。
兵長は私の涙をそっと拭ってくれた。



「兵長、ありがとうございます…。
私の心臓は既に公に捧げました…。
けど、心は兵長に捧げます。

…兵長…、愛してます」



私は応えた。


兵長は私を優しく抱きしめ、優しくキスをした。


「本当にすまなかった」
「本当にすみませんでした」


キスをしていた唇が離れた瞬間、改めてお互いに謝った。偶然にも二人の言葉が重なった。


不器用な私はたくさん回り道をして、大変不恰好ながらも、自分が本当に愛する人とようやくお互いの気持ちを確かめ合うことができたのだった。



「兵長は、カッコいいですよ。ご自身に自覚が無いだけでモテてます」



「あ?そんな訳ねぇだろ」



穏やかな空気だった。
朝の澄んだ空気の中、二人だけの世界のように感じた。

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