第33章 衝動
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俺はようやくエマと二人きりになることが出来た。
トロスト区での戦い、エレンの奪還作戦…。
戦いが続いたことでエマと二人になる機会は全く無く、ついでに自分自身も怪我の為ろくに作戦に参加できないもどかしさで苛立ちは最高潮だった。
なんとか帰還したエルヴィンは隻腕になり、唯一の救いはエマに怪我が無かったことだった。
エルヴィンが死にかけている間に、俺は新しいリヴァイ班にエレン、ヒストリアを含む104期で班を構成することを決めた。
エマを継続して組み入れることも考えたが、エレンには同期のみで班員を構成する方が余程死に物狂いになれるだろうと判断した。
エマは元々のハンジ班に戻したが、合流するまで一緒に過ごすこととなった。
部屋まで一緒なのは、想定外だったが。
久しぶりだ。
こうして二人で肩を並べるのも。
エマがエルヴィンと話す時間は充分にあった筈だ。
この不器用でバカ正直なコイツのことだ。
エルヴィンともケリをつけてきただろう。
ーー…あの…兵長に言わないといけないことが…ーー
オイオイオイオイ…
こいつは何を言い出そうとしてる?
俺はエマの表情から察した。
ーー…最期に団長と……ーーー
二人きりになった時、エマは怯えながら俺に告白をしてきた。
想定してなかった訳じゃない。
なにせエルヴィンのことだ。
だが、俺はこれまで抑えていた感情とまたエルヴィンに出し抜かれたという思いとで、怒りが抑えられなかった。
咄嗟にエマに馬乗りになり首を締め上げていた。
エマからは涙、鼻水、涎と垂れていた。
クソが。
またエルヴィンか…
せめて、エマに欲望を形にしてぶつけないとこのまま殺してしまいかねない。
乱暴に口づけ、身体を隅々まで舐め上げた。
必死に堪えながらも俺を受け止めようとするエマに、更に欲情した。